2016

パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー

2016
白ぶどうの収穫は9月8日から13日にかけて実施しました。9月初旬には好天の日が続き、酸量は瞬く間に減少。ただ、白ワインのみずみずしい風味、そして熟成に、どんなに酸が大切かは心得ているつもりです。かなり早めの収穫日判断も含め、すべてはパヴィヨン・ブランを素晴らしい品質に仕上げるために考え抜いて決断しています。


アッサンブラージュでのセレクションはより一層厳しい基準を設け、パヴィヨン・ブラン2016年に採用されたのは収穫の3分の1のみです。香りは複雑で上品。アタックには丸みがあり甘美。余韻の長いみずみずしい後味。同時にミネラル感と果実味があります。
直近のヴィンテージと同じスタイルに属し、もしかすると味わいの風味はさらに豊かかもしれません。今飲むのを我慢するのも大変ですが、数年後にさらなる複雑性を得ていくでしょう。(2018年10月)

Margaux

気象条件

冬はきわめて雨が多く、比較的温暖な気候で、芽吹きは例年より早く、3月の最終週でした。どちらかというと乾燥していた2015年に続く年の初めの3か月間は、400mmの降雨量があり、そのおかげで自由地下水を再生することができました。類似した春の降雨も、多量であったという印象でしたが、実際には、過去30年間の平均雨量と同程度でした。それでもブドウの樹は、たぐい稀な素晴らしい日差しの日々に恵まれ、6月6日と8日の間に開花を迎えました。



 夏の厳しい乾燥との対照も、同様に印象的でした。7月、8月の降雨量は、わずか8mmほどだったのです。とはいえ、とても樹齢の若いブドウの樹ですら、水不足の兆候はわずかなものでしたが、特に古木の区画は完璧に対応し、どれほどこの植物が気候に見事なまでに適応することができるか、改めて私たちは実感しました。乾燥した気候であったものの、夏は例外的な暑さではありませんでした。唯一8月の半ばから後半にかけては、例年以上の暑さが目立ちました。これらの要因が結びつき、色付き期はかなり時間的なずれが生じました。9月中、日中は乾燥し、夜間は冷涼な気候のおかげで、ブドウが最後まで熟すのに好適なコンディションとなりました。

 赤ワイン用ブドウの収穫は、これまでのシャトーの歴史の中で最も分散し、9月23日から10月18日にかけて行われました。

 夏の間中、新たに偉大なヴィンテージが生まれるであろうと思いをめぐらし、日に日に気持ちが高揚しました。