2007

パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー

2007
この年ほど多くのサンプルがパヴィヨン・ブランのアッサンブラージュを決定するのに集められた年はないでしょう。区画のセレクション、区画ごとに収穫は3度に分けて行ない、醸造も複数の試作が行われ、収量は平均すると26ヘクトリットル/ヘクタール程度。36タイプのロットが生み出されました。この偉大な多様性はもちろんパヴィヨン・ブランの品質向上を目指す努力の表れです。特に今年は極めて好条件のヴィンテージであったこともあり、その良さを最大限引き出すために容赦ない厳選が行なわれています。生産量も前年に比べてもさほど多くありません。


2007年の白は、すべて、ほとんどすべてが成功作でした。夏の涼しさから絶好の収穫コンディションまで、水不足に悩まされることもなく。特にヴィルフーガスは水不足になりがちな区画であるにもかかわらずです。結果は2006年にかなり似たスタイルのワインに仕上がっています。味わいにこれほどまでの濃度とたくましい風味を含んだワインがあったでしょうか。直近ヴィンテージ同様、アルコール度数はかなり高いですがバランスは良く、特に後味のみずみずしさはほとんど奇跡的に歴代のレベルを忘れさせるほどです。今熟成のピークに達しています。(2018年10月)

Margaux

気象条件

特に穏やかで乾燥した冬によって、平年並みの2006年と比べ、15日早いブドウの開花となった。その後春はいつものようにコントラストを示した。すなわち3月は穏やかで湿度が高く、4月は非常に暑くかつ乾燥し、5月は穏やかで非常に雨が多く、6月は殆どいつも通りで、平均よりも僅かに湿度が高かった。よって開花時期は長引いたが、重大な花振いではなかった。大小問わず多くのビンテージが、実際そのようにして始まった…。


6月末から涼しく比較的殆ど日が照らない天気が長期的に続き、頻繁に降る雨が特徴的だった。これは「雨の多い夏」という全般的な印象を与えた。この気候条件は、べと病に非常に好都合だったが幸い、今日では昔に比べ、これは非常に上手く管理されている。また8月末まで成長し続けたブドウの成長にも好都合だった。私たちは、収穫の前数週間に、普通ではない状況の急変を経験によって分かっているので、少々気になり出していた…。
よって暑く非常に乾燥した信じられないような9月の幸せな驚きは、私たちの不意を打つことにはるはずなかっただろう。すんわち最近、2002年、2004年のように、多くの非常に良質なヴィンテージがこのようなシナリオを経験しているのだ!この偉大な好天は、長々と10月まで続いた。このため記録的な長さを持つ植物サイクルの後に、ついに成熟に達した区画を非常に遅く収穫することができた。(9月27日の収穫)