2006

パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー

2006
この年の春は悲劇的な出来事が記憶に残っています。それは4月11日、気温は十分に穏やかで(湿度は異常なレベルに高買ったのですが)、散水装置を始動させるべきではないと我々が判断したことで、シャトーの防霜システムが少しの差で適切に稼働しないという事故が起こりました。自然というものは、時に、そんなに簡単に我々には自然を操ることはできない、我々に謙虚になるようにと、教訓を思い出させては楽しんでいるかのようです。遅霜が原因となり、ただでさえ少ない収量が50パーセント以下に落ち込みました。それでも残された数少ないぶどうは夏の良好な天候を享受して熟度を進めました。特に9月初旬の10日間は猛暑が続きました。収穫は9月に雨が降り始める前に行われたこともあって、規格外の凝縮が得られ、維持されました。


パヴィヨン・ブラン2006年は、規格を超越したワインです。直近ヴィンテージともかなり異なる仕上がり。アルコール度数は15度をかするレベルで、芳醇な香り、味わいの余韻は感動的です。2007年同様、フィネスよりもたくましさが印象的。おそらく熟成の頂点に達しています。(2018年10月)

Margaux

気象条件

とりわけ2月がむしろ寒かった冬の後は、幸い2005年よりも湿度が高く、春は非常に乾燥し、私たちは殆ど水不足を心配し始めるほどだった。しかしこれは、どれほどブドウの木が乾燥に順応し、とりわけ偉大なテロワールは、この自然の行き過ぎを非常に上手に緩和することを忘れることだったようだ。4月11日の霜によって、ヴィルフガス地区の私たちの凍結防止システムが異常をきたした。この区画は、パヴィヨン・ブランを生み出すが、潜在的な収穫は深刻に削減された…。


開花は素晴らしい条件で行われ、先立つ2年に非常に近い日に、平均的な量で赤の収穫を予測させた。次に夏は暑く7月後半は酷暑でさえあった。その後8月は僅かながら7月より涼しかった。何よりむしろ乾燥した。2003年の同時期に比べ、7月と8月はもっと雨が降るはずだったのだ!
9月はいつものコントラストを示した。すなわち最初の10日が非常に暑く乾燥し、それから収穫の初めまで穏やかで湿度が高く、充分に乾燥した。それからゆっくりと収穫ができた。このシナリオは、1996年のシナリオに奇妙に似ている。この年、同じような夏の雨が降り、8月末に、非常に好意的な同じような期間、9月の初めから収穫の終わりまでまさしく同じ降水量を経験したのだ…。(9月19日の
収穫)