2010

パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー

2010
ソーヴィニヨン・ブランの区画は、夏の天候条件を完璧に享受しています。すなわち、成熟も収穫も均質に進み、収穫は9月9日に開始。前年に比べて短期間で終了しています。アルコールに関しては以前より軽めではありますが、凝縮感あふれるワインをつくりだすことにとにかく注力しました。それには多くの解決策があるわけではありません。ただ、若干早めに収穫をし、ぶどうも果汁もワインも厳しい基準を設けて選別することによってのみ、目標は達成可能です。直近ヴィンテージに比べて残念ながら生産量は少なめです。


2010年は、パヴィヨン・ブランの典型的な偉大なるヴィンテージです。つまり、繊細で、エレガント、非常に香り豊かで、味わいにおける素晴らしい芳醇さや完璧なバランスが備わっています。それらは酸量が平均以上であることによってもたらされる効果でもあります。今飲んでも非常に美味しく、さらに数年熟成も可能です。(2018年10月)

Margaux

気象条件

むしろ寒く乾燥した冬によって発芽はかなり遅れ、その後春の一定しない天候条件によって、開花は大抵不均質になり、メルローの老木では少々の花振いが発生することもあった。いつものように偉大なテロワールはその独自のリズムを強い、気候の不測の事態を操る印象を与えた。すなわちそこでは、開花は素早く均質で、完璧に上手く行った…。しかしこの土地に特に好まれるカベルネ・ソーヴィニヨンは、必然的に花振には殆ど敏感ではなかった。


6月末から収穫の終わりまで、私たちは再び、秘密を持っているボルドーの非常に偉大なヴィンテージだけが持っている乾燥のタイプを経験した。すなわちブドウの木の過度の成長を引き起こすための水分が余りないということであり、けれどもブドウの成熟を促進し、ブドウの実の凝縮性を活発にするためには、まさにこのことが必要なのだ。 私たちには、2009年または2005年の条件を同じ方法で少しずつ繰り返しているように見えた。
しかしヴィンテージは、決して全く似ていない。2010年は、2009年と同じ位乾燥したが、もっと涼しかった。真夏の気温ではないが、夜は常に涼しかった。この相対的な涼しさは、乾燥の影響を和らげ、恐らく偉大なテロワールのなんらかの若いブドウの木が品質の許容限度レベルを手に入れることを可能にした。またすべてのセパージュのアロマの表情に恩恵を与えた。特にソーヴィニヨン・ブランとカベルネにおいて顕著だった。
また乾燥によって酸味における非常に素晴らしいレベルを留めることができた。このことは、高いアルコール度数とのバランスにおいて理想的だった。(9月22日の収穫の初め)