2014

パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー

2014
パヴィヨン・ブランに関しては、2011年以降はどのヴィンテージも、優良年であるか、さらに偉大なヴィンテージであったと言えるでしょう。これまで数年間、技術的改良と進歩に多大な努力がなされたことはもちろんですが、ソーヴィニヨンにとって非常に有利な天候条件に恵まれたことも確かです。


2014年も、特に8月には涼しい天候に恵まれ、素晴らしい酸を保つことができ、この方式どおり素晴らしい仕上がりです。確かに涼しい8月の次に暑い9月、あるいは2013年のような逆パターンもありますが、この天候のおかげでぶどうは高い酸量を保ちながらも高水準の熟度を得ることができたのです。このふたつの特質は、偉大な白ワインにたどり着くために必要不可欠な要素と言えます。また、2014年は、ノーマン・フォスター卿によって設計された新たな施設で醸造を試みる初めての年となりました。このプロジェクトは実に何年もかけて細部にわたって精練したもので、それによってもたらされる可能性を夢見てきました。そしてついに我々の希望どおりの結果を得たと言えるでしょう。なぜならこれまで以上に、微に入り細にわたる精度の高い仕事が可能になったからです。このように2014年のパヴィヨン・ブランは卓越したヴィンテージですが、これまでになく少量生産です。飲み始めても結構です。(2018年10月)

Margaux

気象条件

とりたてて寒さの目立つ時期はなく、とても温暖な雨の多い冬に続いて“通常通り”の春を迎えました。5月はどちらかというと涼しかったものの、6月はかなり気温が上昇し、その結果、例年通りのタイミングで好条件の中、開花期が訪れました。そしてまとまりよく素早く開花し、昨年とは正反対の状況となりました。



7月は特に驚くような気候に見舞われなかったものの、8月の気温が極めて低くなり、私たちが知る限り、ここ数年間の夏の気候で最も涼しいと言えるほどでした。この低温によって色付き期のスタートが妨げられ、色付きの期間も長引く要因となりました。幸いにも降雨は比較的少なく、かといって、7月も8月も本格的な干ばつになることはありませんでした。ボルドー地方ではよくあることですが、8月末はあらゆる可能性を秘めていて、平凡なヴィンテージにとどまる見通しと同時に、傑出したヴィンテージになるであろうとの期待もできる状況でした。そして迎えた9月は本来の夏のような気候となり、私たちの希望通りの情勢となりました。暑く乾燥した気候のおかげで、ブドウは完熟に達し、収穫も最高のコンディションで開始することができました。まさに2013年とは対極的です。白ワイン用ブドウの収穫は9月15日から19日まで、赤ワイン用ブドウの収穫は9月29日から10月10日まで行われました。