2011

パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー

2011
2011年、白ぶどう品種の収穫は1893年以来最も早期に行われました。夏至のあたり、日が長く暑い日が続く頃、ぶどうの成熟はバランスが欠け、アルコール度数も高く、酸は少なく、アロマの面でも貧相なぶどうになるのではと心配されました。7月から8月にかけては比較的冷涼な天候に恵まれ、バランスの良さを損なうこともなく、むしろパヴィヨン・ブラン2011年は偉大なるヴィンテージに匹敵する仕上がりで、2010年に並びます。これはひとえに厳しい基準で選別を行なった成果であり、そもそも低収量だった上に、収穫の3分の1のみが最終アッサンブラージュに採用されています。なお、その率は前年同様です。今非常に美味しい状態のワインですが、問題なくさらに熟成させることもできます。(2018年10月)

Margaux

気象条件

2011年のブドウ栽培の一年は、いわば夏のような気候でスタートしました。4月と5月は平年よりかなり暑く乾燥した気候で、ブドウの樹の生育開始や成長過程はとても早く進み、開花期は極めて早く訪れました。続く6月、7月、8月はむしろ涼しかったものの、特にマルゴー周辺では降雨量が少なく、このヴィンテージの特徴である乾燥した状態は変化することなく進みました。


また6月26日と27日は、これまでにない大規模な酷暑に見舞われました。早熟な年だったため、すでに色付き期を迎えようとしていたブドウの房、とりわけ逞しさに欠けるカベルネ・ソーヴィニヨンの区画の多くは、エショダージュ(過度の熱により、ブドウの生育が停止する害)を受け、場合によっては大きな被害を伴いました。通常であれば大事に至らないであろうこの被害も、おそらく、3か月間に及んだ日照りによる水不足のために拡大したのでしょう。
白ブドウ品種は8月25日から、黒ブドウ品種は9月5日からスタートした収穫は、暑くて乾燥した気候に恵まれました。そのおかげで、エショダージュ被害によって必須となった数々の選果作業も、急がず慎重に行うことができました。ただ唯一、私たちが失望したことは、収穫量です。1ha当たり29 hlとなり、2011年ヴィンテージは過去20年で最も少ない収量となってしまいました!