2012

パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー

2012
この年ソーヴィニヨン・ブランは早熟で(9月10日から14日の期間に収穫)、シーズン終盤の雨からうまく逃げ切ることができました。しかし、7月15日までは湿度が高く、初夏の天候は難しい面が多く、早熟とは言い難い赤ワイン品種に比べて、植物生育サイクルにはさらなる影響が及んでいます。その後は非常に乾燥した天候が続き、成熟には絶好の環境でしたが、2011年の凝縮レベルにまで持って行くほどではありませんでした。唯一、古株区画および上質な区画のみうまく切り抜けることができ、非常に高い品質を生み出しています。よって通常以上に厳しい基準での選別が大切でした。パヴィヨン・ブランに採用されたのは収穫のたった3分の1です。品質は2011年のレベルには達しないとはいえ素晴らしく、アロマティックで複雑で、みずみずしく、バランスに優れたワインです。ただ、歴代最低生産量の年。急ぐことなくお飲みください。(2018年10月)

Margaux

気象条件

2012年の気候条件は非常に典型的なものでした。2月を中心に寒い冬の後にやってきた春は非常に湿度が高く、9月20日から雨が降り始める前の夏は非常に乾燥していました。



7月15日まで続いた豊かな雨量により、べと病が非常に拡大しやすい条件が生まれました。しかし、今年は生物学的な防止プログラムを強化しており、それが功を奏しました。そのプログラムというのは10年前から殺虫剤を全く使わないというだけでなく、通常7または8つの化学的な処理を行うにもかかわらず、2012年には1つの手段のみをグラン・ヴァンの区画に用いるというものでした。これでやっと収穫に近づいてきました…

7月15日からは非常に乾燥した日々が続き、暑さもそれほどではありませんでしたが、それでも数日間は猛暑日を経験しました。このような気候条件は、ボルドーのクラシックな優れたミレジメの典型的なものです。これらの気候条件により成熟して濃厚なブドウが誕生するのです。あまり良くないテロワールと若いブドウの木のみが、非常に湿度の高い春と非常に乾燥した夏への移り変わりに苦しみました。

秋を迎えるとすぐに天候が変化しました。9月20日から定期的にわずかな降雨がありましたが、これらの雨はブドウの成熟と健全さを失わせるには遅いものでした。しかし、2012年をグラン・ミレジメにするのを妨げた要因となったのかもしれません。

白ワイン用のブドウの収穫は9月10日から14日まで行われ、赤ワイン用のブドウは9月25日から10月16日まで行われました。まさに条件が悪化する直前のタイミングで収穫が行われたのです…