2015

パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー

2015
白ぶどうの収穫は9月3日から8日にかけて実施しました。夏は好天に恵まれ、完璧な熟度と凝縮性のソーヴィニヨンが収穫できています。同時に8月は比較的涼しい月となり、ぶどうの酸もバランスという意味では適度に保たれ、熟成のポテンシャルも生み出しています。ぶどう畑での厳しい基準での選別方針に変化はなく、前年と比べて生産量が高まるわけもなく、アッサンブラージュに採用されたのは3分の1程度です。


この年のパヴィヨン・ブランは、2011年ヴィンテージから続く、アルコールがさほど豊かではないワインの部類に属します。それでも相変わらずの凝縮性があります。収穫日は若干早めで、厳選収穫だったことからこの成果が得られています。
パヴィヨン・ブラン2015年は非常にアロマティックで複雑。アタックは丸く、後味に酸を感じます。パヴィヨン・ブランの偉大なるヴィンテージと肩を並べる仕上がりです。まだ待つことで品質の向上が望めるとはいえ、今飲むのを我慢するのも一苦労ですね。(2018年10月)

Margaux

気象条件

例年に比べてかなり気温の低い冬となり、そのため芽吹きは、時期が遅れたものの、一斉に歩調の合った状態でした。そして春は日差しが多く乾燥した絶好のコンディションだったおかげで、テンポの速い均質的な開花を迎えました。暑さと乾燥は6月、7月まで長引き、最も気候に敏感な区画はとくに、水ストレスに見舞われることを懸念するほどでした。幸いにも8月に、適時の程よい雨に恵まれ、色付き期間が短縮し、均質化につながりました。9月に再び乾燥した気候に見舞われましたが、日中暑く、夜は涼しい、という組み合わせだったおかげで、豊富な糖分は美しい酸と調和がとれ、タンニンも滑らかで、複雑性に満ちた潜在能力のあるアロマを備えたブドウを得ることができました。



赤ワイン用ブドウの収穫は、9月18日から10月6日まで。ブドウは小粒で皮は厚みがあり、タンニンは濃厚になるであろうと予感させます。

2015年の状況は、2005年や2009年、2010年と並んで、まさしく偉大なヴィンテージの特徴をあわせ持つと言えるでしょう。