2013

パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー

2013
2013年、ソーヴィニヨンの早熟性は、例年以上に断然有利に働きました。というのもボトリティス菌の発生が深刻化する前に十分な熟度に達することができたからです。樹齢(35年)やテロワールの関係による樹勢が弱さや低収量が、もともとソーヴィニヨンは傷みやすい品種であるにもかかわらず、腐敗の抑制にうまく働いたのでしょう。その前に、まず8月は涼しく乾燥した天候に恵まれたこともこのヴィンテージの成功のカギとなっています。なぜなら下手にストレスをかけることなく、アロマ表現と酸を失うことなく、熟度を進めることができたからです。


5年前から大規模な醸造技術変革を進めており、さらなる複雑性と芳醇さ、同時にみずみずしい風味と落ち着いたアルコール度数のワインを生み出す努力の成果が2013年にはあらわれています。この挑戦の成功を支えているのは並外れた努力と厳しい基準を設けた選別です。パヴィヨン・ブランの生産に採用されたのは収穫の40パーセント未満です。
パヴィヨン・ブラン2013年は、生産量は劣りますが、2012年や2011年と並ぶ成功の年です。今飲んで非常に美味しい状態ですがさらに5年熟成させることでさらなる複雑性が得られるでしょう。(2018年10月)

Margaux

気象条件

冬の終わりや春の気温が極めて低かったため、芽吹きは遅れ、開花期も平年より15日ほど遅く訪れました。また、これらの時期はずっと降雨量も多かったため、開花はもどかしいテンポで進み、結実状況も厳しく、特にメルロ種はミルランダージュ(結実不良)が蔓延し、不結実も多く見受けられました。後者の現象は、カベルネ種については被害がより少なかったと言えます。ただ一挙に、2013年ヴィンテージは生産量が期待できない状況となってしまいました・・・。



幸いにも、夏の日照りのおかげでブドウの生育の遅れを幾分取り戻すことができ、色付き期は開花期ほど不揃いにはなりませんでした。おそらく少量のブドウだったからこそ、生育の遅れを調整できたのでしょう。9月初旬は、少ない収穫量とはいえ、素晴らしい状況でブドウが熟していくであろうと期待は高まりました。

9月は、比較的乾燥していると同時に雨量も多いという、不可解な天候でした。頻繁な小雨は、大雨を誘発することなく、程よい雨量をやや上回る程度で収まりました。9月末までは特に収穫に影響を及ぼす気象状況ではありませんでしたが、突如、灰色カビ病が進行したため、収穫開始を早めました。とはいえ、最終的にはブドウの理想的熟度に達するのに1週間ほど足りない程度で、偉大なヴィンテージへの望みは絶たれたものの、すべての見込みが失われたわけではありませんでした。

白ワイン用ブドウ品種の収穫は9月19日から27日、赤ワイン用ブドウ品種の収穫は9月30日から10月11日にかけて行われました。