1975

グラン・ヴァン・デュ・シャトー・マルゴー

1975
誕生直後からボルドーでは偉大なヴィンテージとして讃えられ、非常にゆっくりと瓶内で熟成し続けました。カベルネ・ソーヴィニヨンを主要品種とするワインは特にこの傾向が強いです。これほど長年の間、タンニンは閉じたまま、さらに言うとこわばった状態が続き、実際のところカベルネ・ソーヴィニヨンは完熟状態で収穫されたのか、疑問に思うほどです。今なら、ヴィンテージの凝縮はそのままとしても、これよりはもう少し親しみやすい味わいに、明らかにこれとは違ったスタイルのワインを生み出すでしょう。1975年は特に困難な3年(1972年、1973年、1974年)の後に誕生しました。しかるべき熱狂の中で、このヴィンテージの潜在能力を過大評価してしまったとは言えないでしょうか?


シャトー・マルゴー1975年は、偉大なる成功作ではありません。当時のオーナー、ジネステ家はその所有権を手離そうとしていたところですし、60年代と同等の丁寧なつくりだったとは考えにくいです。
現時点、香りは少々こわばっている印象があります。味わいは締まったタンニンの痕跡があり、後味は少し乾いた印象です。全体的な印象は上品ですが、余韻と濃厚さに欠けます。
シャトー・マルゴー1975年のボトルワインは、飲み頃です。味わいに向上が見られるとは我々には思えません。(2018年10月)

Margaux

気象条件

暑く乾燥した夏の後、9月は不安定だったが、収穫のときには好天が戻って来た。一年の最初から最後まで、気候条件は実際、非常に好意的だった。(9月26日の収穫)