1970

グラン・ヴァン・デュ・シャトー・マルゴー

1970
先立つふたつのヴィンテージ(1968年と1969年)が本当にひどかっただけに、このヴィンテージが持つ芳醇さやコクがさらに素晴らしく感じられ、どれだけの熱狂を引き起こしたのか、今日ではイメージすることは難しいほどです。


メドックで生産されるワインの多くは、1975年を始め、長年閉じたままでかなり硬く、果たしてカベルネ・ソーヴィニヨンは本当に充分に熟した状態で収穫されたのが疑問に思うほどです。
多くのシャトーでは、名門シャトーでさえ、これほどまでの収量に対応可能な醸造庫を整備し、特に十分な数のタンクを準備するのは困難でした。結果、醸造環境は理想的というにはほど遠く。シャトー・マルゴーも例に漏れず、1970年はヴィンテージの品質は申し分ないのですが、少々凝縮と肉付きに物足りなさがあります。香りは複雑で熟成も進み、深みがあり、調和の良さを感じます。味わいは上品で心地良く、ただ少々余韻は短く後味もドライな印象です。今が飲み頃だと考えていますが、長期保存能力に疑いの余地はなく、グラスの中でさらに花開かせる傾向が見られるので、さらなる風味の向上も期待できます。(2017年3月)

Margaux

気象条件

非常に量が多いこの収穫は、夏の間じゅう素晴らしい気候条件を享受し、それは収穫の終わりまで続いた。(9月26日の収穫)