2022

パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー

2022
パヴィヨン・ルージュ2022年は全生産量の32 %を占めています。主要品種は変わらずカベルネ・ソーヴィニヨン(64 %)で、メルロも24 %と安定した率を保っています。プティ・ヴェルドは試作を多く重ねたにもかかわらず、2022年のグラン・ヴァンには使用されなかったため、パヴィヨン・ルージュのアッサンブラージュには7 %というより多い比率で含まれています。その他、カベルネ・フラン(5 %)が加わります。


パヴィヨン・ルージュ2022年はグラン・ヴァンのスタイルを継承しており、これまでシャトー・マルゴーが生み出したパヴィヨン・ルージュの中でも殊にたくましさが印象的です。瑞々しさと酸を含み、とにかくバランスの素晴らしいワインに仕上がっています。

Margaux

気象条件

「観測至上、最も暑い年」… 10年ほど前からほぼ毎年、ぶどう生育サイクル開始時期の天候を紹介する文章にはこの表現が用いられています。2022年も例に漏れず。そこにもうひとつ、「重度の干ばつ」という天候上の特徴が加わり、以上ふたつの要素が類い稀なる品質のワインとなるぶどうを生み出しました!


2022年の冬は1月半ばに幾度か厳寒凍結が観測された以外は温暖で、降水量も150ミリメートルと比較的少なめでした。2022年の春は全国的に気温が高く(13.2 ℃)、1900年以降の記録を見ると、 2011年および2020年に次いで3番目の暖かさでした。マルゴーにおいても6月には40 ℃を越す気温を観測するなど、記録的熱波に見舞われました。幸い、ボルドー地方では春の間に平年並みの安定した降雨に恵まれ、マルゴーでも降水量182ミリメートルを記録しています。その後、極端な現象とともに夏を迎えます。長期かつ深刻な熱波が3回ほど到来。温度計は複数回40 ℃を越す数値を示し、7月および8月には35 ℃を越す日が2週間以上続きました。それに追い打ちをかけるように、実に6週間以上、一滴たりとも雨が降らない日が続きました。ようやく8月末に約20ミリメートルの雨が降り、これさえ恵みの雨ではありましたが、地表面をしっかり湿らせるというよりはむしろ空気を冷ます程度にとどまりました。
以上のような天候のもと、ぶどう畑では3月28日から4月13日の期間に萌芽(芽吹き)を迎え、品種ごと、あるいはマルゴーの多様なテロワールごとに、比較的開きのある日程で萌芽は進みました。花の時期も十分に良好な天候に恵まれ、シャトー・マルゴーの畑においては花ぶるいや部分的不結実(ミルランダージュ)は一切確認されていません。開花は5月24日の週にかけて進み、既にこの時点で収穫の早期化が予想されました。
続く夏の間もそれまでの早生傾向をさらに強める天候が続きました。白ワイン用ぶどうの収穫は8月18日に実施。異例の早期日程です。
9月に入ると気温は落ち着きを取り戻し、申し分ない収穫状況に恵まれました。黒ぶどうの収穫は9月8日から9月27日にかけて実施しています。収穫最終日を迎えると同時に、秋らしい雨が降り始めました。