2003

パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー

2003
今日歴代最高レベルのパヴィヨン・ルージュが生まれた年。成功の秘訣は、相変わらずの答えですが、いくつもあります。ただ、特筆に値するポイントは4種のぶどう品種いずれもが素晴らしい品質だったことでしょうか。すべての品種、晩熟傾向であっても問題なく実ることができたヴィンテージですから、カベルネ・ソーヴィニヨンとプティ・ヴェルドに関してはそこまでの驚きはありませんでした。しかし、メルロに関しては驚きです。1985年以来お目にかかることのなかったレベルの素晴らしい仕上がり。アッサンブラージュの際にはサードワインに回す品質の劣るロットを選び出すのに苦労したほどです。


パヴィヨン・ルージュ2003年は実に壮大なワインです。少なくともこれまで40年、2005年(こちらはさらなる凝縮性!)までの間にこれほどまでたっぷりのタンニンを含むシャトー・マルゴーは生まれていません。ファーストラベル同様に、並外れたたくましさが繊細で甘美な味わいと交じり合い、タンニンの驚愕のストラクチュアの存在をふと忘れさせるほど。今飲んで美味しいですし、今後数年その美味しさは続きます。(2018年10月)

Margaux

気象条件

非常に早生の2003年は、なにより夏の並外れた暑さが印象に残る。極端と呼ぶこともあるこうした気候条件は、多くの疑問や往々にして不安を引き起こした。しかし最も偉大なテロワールは、ブドウの実に完璧なバランスの成熟を確実にしながら、見事に窮地を巧みに切り抜けることを心得ていた。


ブドウの収穫は1893年以来最も早い時期の収穫の年だった1989年のように、9月10日に始まった。