2012

パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー

2012
パヴィヨン・ルージュに使用されたのは収穫されたブドウのわずか30パーセントでした。2011年から選別を強化していますが、今年もそれは継続され、ファーストワインとしてのパヴィヨン・ルージュのスタイルに近づいたと言えます。まだセカンドワインとして話をするべきでしょうか?30年前にはこれらのワインすべて、シャトー・マルゴーだったのですよ?以前のパヴィヨン・ルージュは、現在のサードワインやフォースワインに相当するものだったのです。


メルロの一部の区画にはようやく改善が見られ始めましたが、ファーストラベルに回すにはまだ十分ではありません。しかし、今年はその品質が素晴らしく、アッサンブラージュの33パーセントを占めるまでになりました。ますます細分化された区画別でのセレクション、そしてヴィンテージの天候条件。このグッドニュースの理由を探るとここへと行き着きます。プティ・ヴェルドは、去年は若株は素晴らしい仕上がりでしたが、今年は夏の干ばつに耐えられず難しい年でした。そのため3パーセントにとどまっています。カベルネ・カベルネ・ソーヴィニヨンを63パーセント、カベルネ・フランを1パーセント使用しています。これらがワインの骨組みを作っています。
パヴィヨン・ルージュ2012年は、非常に力強いワインです。ほぼ2011年同等の歴史的な凝縮感があります。なおかつバランスも良く、上品でエレガントな仕上がり。2010年の品質レベルには達せずとも遠くないレベルで、2011年よりは明らかに上です。今飲んでも非常に心地良いですが、さらに数年待つことで品質の向上が得られるでしょう。(2018年10月)

Margaux

気象条件

2012年の気候条件は非常に典型的なものでした。2月を中心に寒い冬の後にやってきた春は非常に湿度が高く、9月20日から雨が降り始める前の夏は非常に乾燥していました。



7月15日まで続いた豊かな雨量により、べと病が非常に拡大しやすい条件が生まれました。しかし、今年は生物学的な防止プログラムを強化しており、それが功を奏しました。そのプログラムというのは10年前から殺虫剤を全く使わないというだけでなく、通常7または8つの化学的な処理を行うにもかかわらず、2012年には1つの手段のみをグラン・ヴァンの区画に用いるというものでした。これでやっと収穫に近づいてきました…

7月15日からは非常に乾燥した日々が続き、暑さもそれほどではありませんでしたが、それでも数日間は猛暑日を経験しました。このような気候条件は、ボルドーのクラシックな優れたミレジメの典型的なものです。これらの気候条件により成熟して濃厚なブドウが誕生するのです。あまり良くないテロワールと若いブドウの木のみが、非常に湿度の高い春と非常に乾燥した夏への移り変わりに苦しみました。

秋を迎えるとすぐに天候が変化しました。9月20日から定期的にわずかな降雨がありましたが、これらの雨はブドウの成熟と健全さを失わせるには遅いものでした。しかし、2012年をグラン・ミレジメにするのを妨げた要因となったのかもしれません。

白ワイン用のブドウの収穫は9月10日から14日まで行われ、赤ワイン用のブドウは9月25日から10月16日まで行われました。まさに条件が悪化する直前のタイミングで収穫が行われたのです…