2007

パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー

2007
セカンドワインをしっかりと理解するには、まずサードワインについて語る必要があります。この年の収量の20パーセントがサードに当てられ、これは今までにない高い割合です。ここまで厳しい基準でのセレクションにはいつものように色々な理由があります。まず、やはりヴィンテージ。熟度が高まりにくい年に違いがもっとも顕著に現れるのが偉大なるテロワールかどうかです。樹齢の若い区画だったり早熟である特性に欠ける区画はなかなか苦労します。ただ、常に上を目指す方針はファーストラベルに対してだけではもはやありません。セカンドラベルのセレクションにも努力を惜しむことはありません。結果、パヴィヨン・ルージュ2007年は収量の半数にも及ばない、たったの48パーセントです。


2007年の評判を落とすような品種のロットを、通常どおりの割合でパヴィヨン・ルージュのアッサンブラージュに回すことはありえません。カベルネ(58パーセント)は骨格とパワーとバランスを、メルロ(37パーセント)はみずみずしい風味、熟した果実味、前年のメルロにはなかった柔和さをもたらしています。プティ・ヴェルド(5パーセント)のタンニンのパワフルさは少々主張しすぎるところがありますが、ここではたくましさを復活させて歓迎ムードです。ほのかな青っぽささえスパイシーな風味同様、優しい繊細さを際立たせるのに役立っています。
パヴィヨン・ルージュ2007年は上質なヴィンテージです。レベルは2006年に近く、濃厚さはないですが、こわばった感じもありません。より繊細でより柔らかく、もしかするともう飲み始められている2004年に似てるかもしれません。飲み始めてもいいですし、さらに数年待つことで風味の向上が得られるかもしれません。(2018年10月)

Margaux

気象条件

特に穏やかで乾燥した冬によって、平年並みの2006年と比べ、15日早いブドウの開花となった。その後春はいつものようにコントラストを示した。すなわち3月は穏やかで湿度が高く、4月は非常に暑くかつ乾燥し、5月は穏やかで非常に雨が多く、6月は殆どいつも通りで、平均よりも僅かに湿度が高かった。よって開花時期は長引いたが、重大な花振いではなかった。大小問わず多くのビンテージが、実際そのようにして始まった…。


6月末から涼しく比較的殆ど日が照らない天気が長期的に続き、頻繁に降る雨が特徴的だった。これは「雨の多い夏」という全般的な印象を与えた。この気候条件は、べと病に非常に好都合だったが幸い、今日では昔に比べ、これは非常に上手く管理されている。また8月末まで成長し続けたブドウの成長にも好都合だった。私たちは、収穫の前数週間に、普通ではない状況の急変を経験によって分かっているので、少々気になり出していた…。
よって暑く非常に乾燥した信じられないような9月の幸せな驚きは、私たちの不意を打つことにはるはずなかっただろう。すんわち最近、2002年、2004年のように、多くの非常に良質なヴィンテージがこのようなシナリオを経験しているのだ!この偉大な好天は、長々と10月まで続いた。このため記録的な長さを持つ植物サイクルの後に、ついに成熟に達した区画を非常に遅く収穫することができた。(9月27日の収穫)