2011

マルゴー・デュ・シャトー・マルゴー

2011
素晴らしい気候に恵まれた2011年ヴィンテージ。ほとんどのブドウが完璧な熟度に達し、見事なグラン ヴァン、パヴィヨン ルージュ、そしてこの上質なマルゴー デュ シャトー マルゴーを生み出しました。


厳しく選果されたブドウのみで醸造し、暑く乾燥した夏で水不足の影響を著しく受けた最も若い木のブドウは、品質の底上げのためサードワインにも使用せず、全てバルクワインとして販売。
乾燥した気候により凝縮感のある味わいに仕上がり、力強いタンニン、しっかりとした骨格のワインは、丸みのあるなめらかなワインになるまで時間が必要でした。飲み頃を迎える適切なタイミングを見極め、あえて2012と2013を先にリリースし、ついに2011ヴィンテージの発売をすることになりました。
美しいルビー色、心地良い樽香、フローラルで豊かな果実香が広がります。セパージュはカベルネ ソーヴィニヨン55%、メルロ45%。深みのある力強い味わいで、長い余韻が楽しめます。抜群のフレッシュさで、バランスの取れたワインです。(2018年11月)

Margaux

気象条件

2011年のブドウ栽培の一年は、いわば夏のような気候でスタートしました。4月と5月は平年よりかなり暑く乾燥した気候で、ブドウの樹の生育開始や成長過程はとても早く進み、開花期は極めて早く訪れました。続く6月、7月、8月はむしろ涼しかったものの、特にマルゴー周辺では降雨量が少なく、このヴィンテージの特徴である乾燥した状態は変化することなく進みました。


また6月26日と27日は、これまでにない大規模な酷暑に見舞われました。早熟な年だったため、すでに色付き期を迎えようとしていたブドウの房、とりわけ逞しさに欠けるカベルネ・ソーヴィニヨンの区画の多くは、エショダージュ(過度の熱により、ブドウの生育が停止する害)を受け、場合によっては大きな被害を伴いました。通常であれば大事に至らないであろうこの被害も、おそらく、3か月間に及んだ日照りによる水不足のために拡大したのでしょう。
白ブドウ品種は8月25日から、黒ブドウ品種は9月5日からスタートした収穫は、暑くて乾燥した気候に恵まれました。そのおかげで、エショダージュ被害によって必須となった数々の選果作業も、急がず慎重に行うことができました。ただ唯一、私たちが失望したことは、収穫量です。1ha当たり29 hlとなり、2011年ヴィンテージは過去20年で最も少ない収量となってしまいました!